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大西's Eye

逆境にあるSCの成長戦略

大西直良 (2010年1月29日 16:20) 2010年1月29日 16:20

 

 「第34回日本ショッピングセンター協会全国大会」が3日間にわたって開催されました。
大会テーマは「逆境を好機に」でした。
 個人消費は停滞し小売業全体は正に「逆境」にあるといえます。
SC全体の売上高も1年以上にわたり、毎月対前年比を下回る状況にあります。
百貨店は、有楽町西武や吉祥寺伊勢丹の閉店が報道されています。
こうした中にあってアウトレットモールの好調が伝えられ、また専門店ではユニクロやABCマートの好調さがTVなどでも大きく報道され、業界に関係のない方々も知るところです。
どうしたら苦境を脱することができるのでしょうか。
 
全国大会ビジネスフェア会場において、SC経営士会主催で「大転換期にあるSCの成長戦略とは?」というセッションを行いました。
図らずも私がコーディネーターを仰せつかりました。
命題が余りにも大きく、限られた約2時間の中で、3人のパネラーの有益な意見を引き出してまとめることは至難の業でした。
 セッションを聞かれる方は、必ずしも現在SC運営に携わっておられる方だけでないので、余りテーマを絞らずにフリーな意見交換方式で進めました。
 パネラーの皆様のSC運営の現場に立脚した貴重なご意見に助けられ何とか終えました。終わってみると結構楽しいものでしたが、果たしてお聞きになった方はいかがだったのでしょうか。
 
 それはさておき、今回のセッションを機に、改めて今まで私が考えてきたことが、この大きな環境変化の中で果たして正しかったのか、振り返る良い機会となりました。
全てのSCのための“苦境を克服する絶対的な妙薬“などある筈がないのですが、幾つかのことが浮き彫りに出来ます。
それぞれが大きな課題であり、とても限られたスペースで語ることは難しいのですが、アトランダムにあげると次のような事柄です。
    「価格競争」だけに終始せずに今こそSC独自のブランドを確立する「価値競争」を中心に据える戦略が重要である。
    TVショッピング、インターネット販売などのマーケットが拡大する中で、リアルなSCであることの優位性を追求すべきである。
都市の楽しい空間であったり、人々の心の通い合いをつくることである。
    地域密着型のSC(NSC)においては、本気で地域の一員として地域住民と共生するファンづくりが必要である。
などということです。
 
 こうしたことは、概念としては既に多くの人々が承知されていることであるものの、現実にSCの現場で実現できているでしょうか。 答えは NO です。
その大きな原因は、SC運営の仕組みそのものにあります。
旧態依然とした過去のやり方を踏襲していたり、新たな環境変化に対応できていないということです。
幾つかの事例をあげると次のようなことです。
    本社が中央集権的に一律マニュアル運営を求めるために、現地SC運営責任者は殆ど権限が与えられておらず、自主性が発揮されない。
このことは、最も差別化要因となる「地域の特色」が全くつくり出せていないことにつながる。
    タイムリーに新しい発想で行われるべき販促活動が、テナント会に委ねられ十年一日のごときセールとガラポン抽選会などに終始している。
    CSR(企業の社会的責任)が十分に理解され果たされていない。
CSRを「義務」と考えることが誤りである。CSRが施設のブランディングの確立を促し、結果として中期的な売り上げアップにつながる。・・・(説明は省略します)
    不動産ファンドの導入により、SC運営に携わるPM(プロパティマネジメント)はAM(アセットマネジメント)から単年度の収益のみを求められるので、SC運営や不動産投資の視点で最も重要な中長期戦略が全くとられない。
などです。
 
大きな変化を実現するには、小手先の手段ではなく「仕組み」自体を変えなければなりません。
今こそ、それぞれのSCが、他の真似ではなく独自の戦略を打ち立てて、それを実行できる仕組みづくりこそが重要と改めて感じます。
          
                                                  以上

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