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大西's Eye

SCにおけるCSR(企業の社会的責任)

大西直良 (2010年3月31日 13:26) 2010年3月31日 13:26


いま企業の社会的責任(CSR)が
大きな命題としてとらえられていることはご承知の通りです。様々な形で行われています。大企業においてはCSR担当セクションを置いている所も多くあります。

SC(ショッピングセンター)を始めとする商業施設のCSRについて考えてみます。
 
企業がCO2削減などの環境問題に取り組むこと、コンプライアンス(法令順守)などは社会の一員として当然の義務であり議論の余地はありません。
発展途上国に企業の代表者が出かけて植樹をしている例もあります。
これらに異議を挟む気持ちは毛頭ありませんが、外部からみると「私たちの企業はこれだけのことをやっています」というパフォーマンスに見える面があります。
そしてこれらの企画は、代表者が交代したり、企業の業績が悪化した時には中止になってしまう懸念も感じます。
 それは企業がPRにより、これらの施策を「責任」すなわち「義務」としてだけとらえているように思えるからです。
 
勿論、CSRという以上は「義務」であり「責任」なのですが、誤解を恐れずに述べれば
「商業施設のCSRは長期的な売上増進のためにも必須である。」と考えるべきだと思うのです。このように考えられるなら、さらに内容の充実した企画が永続的に続くはずです。
環境問題を例にとれば、ここ数年間で住民の意識は格段に変化したと言えます。
生活者、すなわち商業施設にとっての消費者の意識は様々な分野で大きく変わってきています。単に安売り競争ばかりで地域に目を向けないようなSCは信頼を失うことになります。 地道に地域においてCSRを果たす姿勢が、SCのブランドをつくり上げていくと思えます。
 
具体的な例を挙げます。
大型商業施設は、自らが地域に与える広範囲の影響力に気づいていないか、あるいは気づきながら目をつぶってきたと言える事例は多くあります。
「モノを売る」「売り上げを拡大する」ということのみに偏る業界の体質があります。
いいかえれば、地域に与える影響力を売り上げ規模でしか見ない傾向、あるいは「地域」を「商圏」としてしか見ないという傾向です。
全国展開するSC開発会社のトップが、声高らかにスクラップアンドビルドを発言することに大いに違和感があります。専門店がテナントの立場で出店しているのであれば、業績が悪ければ退店するという戦略も肯定できますが、大型SCは権利の形態が自社所有であろうが賃借であろうが、物理的な建物を地域に存在させているのです。
撤退すれば街の中心部に大きな空洞を生むことになり、規模が大きいだけに地道に進められてきた「まちづくり」を根底から崩壊させることになりかねません。
生活者のライフスタイルの破壊につながります。
とてもCSRを果たしているとは思えないのです。
もちろん経営戦略上、やむなく撤退せねばならない事態は、資本主義社会の競争下でやむを得ないという考えはありますが、「不動産」の絡む問題は異なる観点からの思考が必要です。このケースにおいては、事後の処理について地域と十二分の理解を求める努力と共に、その後の不動産の活用まで提案する配慮が求められてしかるべきです。
乱暴に撤退をすれば、企業イメージは大きく損なわれます。
海外でCSRとして幾ら植樹をしたところで、意味がありません。
ブランドが確立して信頼が確立すれば、高い意識の住民の支持が得られます。
常に地域や多くのステークホルダーに目を配り、日常の営業活動を行っていく、すなわちCSRを果たしていくことが長期的なファンづくりであり、売上の増進に結びつくと考えます。
 
 
以上

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