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目先の売上だけに翻弄されないSC経営を

東京で育った私は、子供のころ「江戸っ子は宵越しの銭は持たねー」と講談や落語の台詞で聴いていたし、親からは「男が金のことでアレコレ言うな」といわれていた。
東京人の見栄でもあるのだが。

戦後の高度成長からバブル崩壊による長期の経済低迷、失われた10年……。
いつのまにか、偏差値の高い子供が「良い子」であり、多くの資産を持ち、所得の高い人間が「人生の勝ち組」であるような、デジタル数値や金銭こそが価値観の基準に置かれるようになっている。人の心の琴線にふれるようなものが次第に失われている。
最近話題を呼んでいる本、三浦展著「下流社会」、大前研一著「ロァーミドルの衝撃」で明確に分析されているように、日本において所得階層の分化が進み、社会的に様ざまな問題を発生させつつあることは事実である。
ますます金銭だけが世の評価基準になってしまうことを憂える次第である。

それはさておき、産業界においても余りにも自己の経済性や利潤を追求した結果、官庁も企業も組織が疲弊し、「モラル」と「安全」が置き去られるような大組織の不正問題が表面化している。 コンプライアンス(法令順守)、CSR(Corporate Social Responsibility=企業の社会的責任)が大きな命題として取り上げられていることがこれを象徴している。

さて、日本経済は、ようやく長いトンネルを抜けようとしている。
日本のSCは、長期にわたる個人消費の減退による業績不振、REITの出現による所有と経営の分離など、大きな変化の渦の中に身をおいている。
私はSCの開発・経営、そしてコンサルティングを通じて考えてきたことは「SCは小売の原点に戻って地域の人々と心の触れ合うワンツーワンの関係を構築することが活性化の最重要ファクターである。」ということである。
SCが消費者に対して商品やサービスを売ることでビジネスが成立している以上、売上数字が最も重要であることは当然である。
しかし、その日の売り上げだけに一喜一憂し、近視眼的に翻弄されることなく、中期的な視野にたったSCの経営戦略が必要である。
いま商業界は大変革期にあり、過去の成功体験こそが障害になっている。
過去を捨て、いまこそ原点に戻って、新たな視点で知恵と汗を出して、末永く「わが街のSC」として親しまれることを目指したいものである。

 



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