
東京都荒川区のJR日暮里駅周辺は
■ 新交通システム「舎人ライナー」開通(3月30日)
日暮里駅〜見沼代親水公園駅(9.8km)
■ JR日暮里駅リニューアル工事竣工(3月末)
■ 駅前再開発ビル(第一期)竣工(4月上旬)
という大きなプロジェクトが重なり大きく変わろうとしている
地元では、この機会を捉えて“まちの活性化”を図ろうと、昨年「日暮里観光まちづくり実行委員会」が結成された。
私は、東京都から「観光まちづくりアドバイザー」として派遣され、この計画をバックアップをすることになった。
結果的に、
3月30日の舎人ライナー開通時には、地元の和太鼓演奏によりお祝いし、来られた方々には振る舞い酒のイベントを実施。
4月6日(土)には、まちづくり実行委員会の結晶ともいうべき「日暮里ウォークラリー」が地域の方々の手づくりで見事に実施。 大いに賑わった。
4月6日は、好天にも恵まれ、日暮里駅前の受付テントには早くから親子連れなどが行列を作り、手にしたマップを頼りにポイントを回り、再びゴール地点に帰られた方には「抽選」をしていただき様々な賞品が当る仕組みである。
新たに地域情報が楽しく理解できるイラストマップを完成させた。
これは自分たちの街の素晴らしさを再認識しようというものである。
当日のウォークラリーでは、このマップの縮小版にラリーのルートが記載されているものがつくられた。
スタート、ゴール地点となる駅前の再開発ビル入り口にテントが張られ、新調したスタッフジャンパーを身につけた人々が忙しく笑顔で来場者の案内にあたっておられた。
多くの方々から抽選会の賞品提供があり、これを換算すると総額は100万円以上とのことである。
このイベントの素晴らしさは、正に地域の人々の“手づくり“で進められたことである。
昨年10月、私は初めて午後7時から町会会館で開催された「日暮里観光まちづくり実行委員会」に出席した。
ごく一部のメンバーの方々は、「4月の舎人ライナー開通に合わせてイベントを実施して街を盛り上げよう!」と話されていたが、中には「なぜ面倒なことを」「とてもそんな暇はない」「そんなイベントは効果があるのか」などという感じの方々も多く居られた。
私は「とてもこれでは日程の迫っているイベントを街全体の企画として実行することができないのではないか」と不安を感じたものだった。
* 実施予定日に使用場所の工事が終わるのか。
* 実施に掛かる費用の捻出はどうなるのか。
* 実行するスタッフがボランティアで集るのか。
など基本的な枠組みが全くできていなかった。
その後、定期的に実行委員会が開催され、仕事を終えた方々が町会会館の畳敷きの広間で検討が重ねられていくうちに、徐々に問題の解決に向かって動き始めた。
次第にメンバーの眼の輝きが変わってきた。
次々と積極的なアイディアが出はじめ、最も重要な「自ら汗をかく」提案がされ始めて一挙に計画が具体化していった。
この種のイベントは、単に1日の賑わいを演出することが目的でなく、
@ 新たなイベントを実行することにより、これを定例化することにより“まちおこし”のきっかけとなり活性化につながる。
したがって来年以降も継続する前提で計画をつくることが重要である。
A 一つのプロジェクトに様々な町内会、商店街、地元企業の方々が力を合わせることにより、地域に有力な人的ネットワークができることが大きな財産になる。
ということを私は繰り返し発言してきた。
4月6日のウォークラリーに続いて、さらに6月には駅前にステージをつくり地元の学校や文化サークルに出演してもらうステージイベントが進められている。
このイベントもきっと成功するだろう。
伝統ある東京の下町の方々の熱意を肌で感られたことは、私にとっても大変貴重な経験であった。
日暮里の街の活性化を心から願っている次第である。
以上
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