高円寺商店会に見るパワー
12月14日、暖かいと言われている今年の冬だが夜になるとさすがに冷たい風が吹いていた。
午後9時に高円寺商店会の会館で理事会が始まった。
高円寺では毎年8月に開催される『阿波踊り』は、踊り手が60チーム・約5500人を超え、見物人も1日70万人といわれる盛大なイベントである。
長年にわたり商店会が中心となって運営してきたが、このたび新たにNPO法人を主体として運営することになった。
このイベントは規模が大きいだけに多額の費用がかかる。
この歴史を刻んできた祭りをさらに盛り上げていくには、どのように経済基盤を作り上げていくかということが議題であった。
私は、縁あってアドバイザーとして招かれた。
私は祭りに何度か行っているが、当日は観客で大混乱、商店街は通行がままならない状態である。決して祭りの開催が商店街に大きな売り上げをもたらすとは思えなかった。
伺ってみると正にそのようである。
イベントの開催に当たって、半年以上前から準備に追われ、役員が自分の仕事を終えてから戸別訪問して資金集めもされているようである。
こうして街の祭りが運営されている。
この日の会議も熱心な議論が午後11時半まで続いた。
約10名のメンバーの方々はそれぞれ商店街で営業されていて、店を閉めてからの会議である。
全員が自分の利害を捨てて真剣な討議が続く。
私自身の発言が、直ちにお役に立ったとは思えず歯がゆい思いであった。
街のためにボランティアでこうして努力されている現場に遭遇し胸が熱くなるのを感じた。全国の多くの祭りがこうした人々に支えられているに違いない。
私はサンストリート(東京・亀戸)の経営に当たっていたときに専門店の方々と地域の奥様方と一緒に阿波踊りの「連」を作り毎年SCイベントとして開催してきた。
そのときに踊りをご指導いただいたときからのお付き合いである。
今回改めて感じたことは、これだけ商店街の人々が地域のために努力されているのに大手SCが口では「地域密着」を唱えながら、実態は、地域の仕事に手を汚さずに効率だけで行動しているのではないか。SCが「わが街のSC」として支持を得るためには、もっと本気で地域と向き合わねばならないということである。
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