一味違ったショッピングセンターを目指して
あるショッピングセンター（ＳＣ）で販促関連業務を請け負っている。
ここでは、毎週イベントを実施している。
単なる「賑わい演出イベント」だけでなく、地域とのネットワークづくりの中で、地域で文化活動を行っている子供たちの和太鼓グループ発表会や奥様方が中心の陶芸作品展示会なども行っている。
ＳＣを「地域コミュニティの核」にするような、住民の方々に「わが街のＳＣ」と愛されるようなファン作りを目指している。
さて、このＳＣでは毎月情報誌を発表している。
毎月のイベントスケジュールの告知、店舗の紹介、さらにはその月の地域行事の紹介なども掲載している。
特徴として毎月作詞家に無理をお願いして、季節感のあるコピーを書いていただいている。
直近のモノをご紹介したい。
■２月号
みんなが「恋愛、恋愛」と騒いでいる間に、
夏目漱石のすべての本を
読破してしまうことも、
あなたらしくないでしょうか。
■１月号
「初心者マーク」をひとつ実行して、
あなたらしくない
予想外のメニューを選んで、
後は何に挑戦しましょうか。
■１２月号
品川、吐息。悠々、師走
電車やバスや車で遠出したら
ちょっと歩いてお越しください。
肩の力を抜いてフーッと吐息を転がして、
ここが、あなたの楽な居場所でありますように。
■１１月号
愛情、文化。霜月、上陸。
ひと風ごと着るものが厚くなり、あなたの心の中に上陸します。
十一月は霜月というわけで、あなたの中で溶かしてあげてください。
ここは暖かくお迎えする準備が整っています。
素敵にお過ごしください。
この毎月のコピーは評判である。
たかが（？）ＳＣのＡ４版１枚の情報紙であるが、少しでも気持ちを込めた潤いある情報を発信したいと考えている。
すぐにＳＣ運営関係者から、「このコピーを入れるとどれだけ売上げに影響があるか。無駄ではないのか。」などという声も聞こえてきそうである。
今まで、多くのＳＣがプレミアムキャンペーンを中心に、即効性のある販促ばかりを追いかけてきた。
その結果、どこも同じような新聞折込チラシや福引抽選会に頼り、差別化ができず同質の競争を繰り返し苦戦している。
身近なところから、それぞれのＳＣならではの一味ちがう試みが必要である。
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